マイクロ波は危険なものなのか


マイクロ波は人体に悪影響があるのか、という議論はたびたび繰り返されてきている。携帯電話が普及し始めた頃も各方面で騒がれていたが、誰もがスマホを所有するようになった今ではそんなことを気にする人も少なくなったのかもしれない。

 

私がこの業界に入った頃に主流であったマイクロ波の案件といえば、行政向け防災無線、電話回線が普及していない途上国向けのマイクロ波通信や衛星通信向けといった、私も含め一般の人たちにはあまりなじみのない用途が多かった。その当時は、マイクロ波を長時間浴びていると悪性腫瘍ができるとか、子供は女の子しかできなくなるといった情報が流れており、私自身、実際に不安を感じながら業務を行っていた時期がある。今になって思うに当時のマイクロ波は、エックス線と混同され、目には見えない得体の知れない危険なものという扱いだったように思う。

 

実際のところ、周波数に関わらず数ワット以上の高電力マイクロ波の取り扱いには、確かに注意が必要である。とは言っても、こういった高電力のマイクロ波製品は一般の方たちが触れる機会はないし、設備が設置される場合の条件も十分に配慮がされており、実際に影響を受ける事はないので心配はいらない。注意しなければならないのは、組立や調整作業に携わる我々エンジニアだろう。長期的な人体への影響というよりも、間違って回路に触れてしまえば感電してしまう。

 

一方で、皆さんが所有している携帯電話やスマホなどは、当然の事ながら電力を始めとして十分に安全を見込んだ設計がされているので、人体への影響を心配する必要はないといってよいだろう。長年に渡り、キロヘルツ帯から80ギガヘルツあたりまでの信号を取り扱ってきた経験から、危険性という意味でいえば周波数に関わらず高電力には注意が必要であるが、一般に市販されている製品であれば、マイクロ波だからと特に神経質になる必要はないと考えている。

 

ささやかながら、マイクロ波に対して不安を感じていた方への参考になれば幸いである。

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