テクダイヤの開発には欠かせない成分分析。
その中でも表面状態が観察できる装置【SEM】についてご紹介致します。
①SEMとは?
②SEMの原理
③SEMでできること(二次電子像編)
④SEMでできること(反射電子像編)
①SEMとは?
SEMとは、Scanning Electron Microscope(走査型電子顕微鏡)のこと。
SEMは10~100倍程度で観察する、理科室で使うような実体顕微鏡と違い、
1000倍、10000倍と、高倍率で試料を見ることができる顕微鏡です。
SEMは焦点深度(*)が大きく、像をはっきり立体的に観察できるのが特徴です。
*焦点深度とは、一定の解像力を維持できる光軸上の範囲のことです。
https://www.ushio.co.jp/jp/technology/glossary/glossary_sa/focal_depth.html
焦点深度が大きいと、ディスプレイなどに移した画像が多少前後しても画像がボケません。
②SEMの原理
SEMの原理も、理科室で使う実体顕微鏡と、全く違ったものです。
SEMでは、真空中で見たいもの(試料)に電子ビームを当てます。
すると、試料の表面から二次電子、反射電子と呼ばれる電子や、X線が出てきます。
その電子やX線を検出器で読み取り、
画像にできるような信号に変換することで、ディスプレイに画像を映しています。
③SEMでできること(二次電子像編)
①で、SEMとは見たいものに電子ビームを当て、
見たいものの表面から出てくる電子を読み取って、
ディスプレイに映す機械である と、ご説明しました。
その電子の中でも、二次電子というを検出器でひろって像を映してみます。
対象は、このステンレス板 SUS303の表面。
このサンプルを、SEM(二次電子モード)で観察してみます。
これが、二次電子モード 1000倍で観察した時の、SUSの表面です。
1000倍で見ると、細かいスクラッチなど表面の凹凸が、はっきりわかります。
このように、二次電子像は、試料表面の凹凸を観察するのに、優れています。
③SEMでできること(反射電子像編)
SEMでできることは他にもあります。
次に、反射電子という電子を検出器で感知させ、像を映してみます。
先ほどと同じSUS、同じ部分を反射電子モードで観察したのが
下記の図です。
二次電子像より、スクラッチなどの凹凸は見えにくくなりました。
一方、部分的に色が濃くなっています。
反射電子像では、成分の違いによって、画像の色にコントラストを付けた状態で
像を映すことができます。
上記でご紹介した③④のように、
SEM観察の際は、測りたいサンプルに合わせた観察方法が望まれます。