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たまには金属加工の話を・・・ 【旋盤加工編】

たまには金属加工の話を・・・ 【旋盤加工編】

前回、大好評(笑)を頂いた「会社の測定器を使って色んなものを見てみるシリーズ」。

最近、それらの高性能測定器たちは正規の用途で使用することが多くなってしまい、

ヨーグルトのフタを解析して遊んでいる場合ではなくなってしまった・・・

 

今回、自分が1番よく知っている技術について紹介させて頂きたい。

ということで、今回は金属加工のお話。

最近、よく後輩から金属加工についての質問をよく受けるので丁度良いかもしれない。

 

そもそも金属加工とはなんぞや?というと・・・

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金属加工(きんぞくかこう)とは、金属材料にほどこす加工である。

そのスケールは船や橋のような巨大なものから、精巧なエンジン部品、さらにはジュエリーの製作まで含む。

金属加工は、「成形」、「切削」、「接合」に分けられ、それぞれに様々な工程がある。

 

金属加工は科学であり、技能であり、趣味であり、産業である。

※Wikipediaより抜粋

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流石はWikipedia大先生。何でも知っている。

テクダイヤでは金属加工の中でも「切削」加工を用いた製品を生産している。

切削加工は金属を切ったり削ったりして、金属に形状変化をもたらす加工方法で、大きく分けて2つの工法がある。

ここではその2つの工法について紹介をしたい。

 

 

■旋盤(旋削)加工

まずは実際の加工の様子をご覧いただきたい。

 

動画のように旋盤加工では材料(ワークと呼ばれる)を回転させ、固定した刃物(バイトと呼ばれる)を材料に当てて加工を行う。

その為、基本的には丸物と呼ばれる円柱形・円錐形・円筒形の製品を加工するのに使用される。

テクダイヤの精密ノズルもこの旋盤加工によって生み出されている。

 

gazo

 

動画内で使用されているのは一般的に汎用旋盤と呼ばれ、自分の手でハンドルを操作し、

何ミリ削るのか(ときにはミクロン単位)をコントロールしなければならない。

ここで、簡単に旋盤の基礎的な加工方法を渾身の自作漫画絵を用いて解説する。

 

  • 端面加工(別名:端面挽き)

端面挽き

バイトで材料の端面を削る加工。(削ることを挽くともいう)

製品の長さを調節したり、Z軸方向のゼロ点出しに使ったりする。

恐らく、旋盤加工を始めるときに最初にやる加工。

バイトの先端の高さが材料の中心と同じでないと綺麗に加工できない。

 

  • 外径加工(別名:外挽き)

外挽き

バイトで材料の外側を削る加工。

製品の外径を調節するために使う。

 

  • 中ぐり加工

中ぐり

通常、金属に穴をあけるときはドリルを使用するが、中ぐり加工を用いると

ドリルで加工したとき以上に精度の良い穴を加工することができる。

この加工の難しいところは刃物(バイト)を穴の中に挿し込む為、加工しているところが見えないこと。

少しでも深く切り込んでしまうと、悲惨な音を立ててバイトが折れてしまう。

 

  • 突っ切り加工

突っ切り

材料の一部分だけを切り落すための加工。

事故ることが多い加工なので、個人的に一番嫌い。

強い負荷が刃物(バイト)と材料にかかる為、切削油が必須。

材料が熱くなるので注意が必要。

 

  • ネジ切り加工

ねじ切り

旋盤ではネジを加工することもできる。

個人的に一番好き。

しかし、ある程度の練習をしないと上手くできるようにならない。

突っ切り加工と同様に刃先に相当の負荷がかかるので、切削油必須。

 

 

少し長くなってしまった・・・

記事だけでは説明しきれないほど、金属加工というのは奥が深いということ・・・

今回の記事で少しは旋盤加工というものがどういうものなのかをイメージ出来れば幸いです。

次回はフライス加工編。