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フォトリソグラフィのいろは ~PEB編~

フォトリソグラフィのいろは ~PEB編~

寒くなってきましたね。

ねねは寒いのが苦手です。

 

せき込む人をちらちらと見かけますので、

皆さんも体調にはお気を付けください…。

 


前回の記事 http://フォトリソグラフィのいろは ~ベイク編~

 

前回の記事では目的の異なる3つのベイク工程の内、下線の2つを紹介しましたね。

 

①プリベイク

②ポストエクスポージャーベイク

③ポストベイク

 

今回は残りの1つ、②ポストエクスポージャーベイクについてお話しします。

 

 

 

②ポストエクスポージャーベイク…露光後

 

これは頭文字から、通称”PEB”と呼ばれることが多いです。

PEBを使う場合のパターンは2つあります。

 

1. 化学増幅型レジストを使っている場合

レジストの種類の中に化学増幅型レジストというものがあります。

化学増幅型レジストは通常のレジストと反応機構が異なり、高感度であることが特徴です。

 

 

通常レジスト化学増幅レジスト

 

(通常のレジストの方は光反応開始剤の存在を省いてしまってます、すみません)

 

上図から、

通常のレジストは露光と同時に架橋が起こるのに対し、

化学増幅型レジストはPEBと同時に架橋が起こっています。

 

この酸触媒の熱拡散による反応のおかげで、化学増幅型レジストは少ない光でパターンが描けているのです。

ですので、化学増幅型レジストにはPEB工程が存在するわけです。

 

2.定常波の影響により、パターンに凹凸がある場合

 

光は波の性質を持つので、露光時の入射光と基板等からの反射光で

定常波を成し、波打った形状で露光されることがあります。

 

定常波

 

すると現像後にパターンの壁の部分が波打ったパターンになってしまいます。

そのような場合にPEB工程を行うことで、熱拡散によって定常波を緩和することができます。

 

 

以上、2回に渡ってベイクのことについて紹介してみました。

次回もお楽しみに…

 

 

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