最近の高周波製品から感じるミリ波の歴史と技術の移り変わり
自動車の衝突防止レーダーをはじめとして、ミリ波を活用した製品が身近な物になってきている。
ミリ波を使用する製品は、話が盛り上がっては消え、盛り上がっては消えを繰り返してきたが、
本格的に一般化されてきたように思う。弊社のSLC(Single Layer Capacitor)やアルミナ基板を
はじめとしたセラミック製品も、とてもたくさんのミリ波製品にご使用いただいている。
ところで、20年ほど前に77GHz帯の衝突防止レーダーの試作機を設計・製作したことがあるが、
その時は導波管コンポーネントを使用した。波長の短いミリ波といえども、
導波管はスペースをとるし重量はかさむしで、なるべくコンパクトに軽くという希望を叶えるのに
とても苦労した。
そんな話を社外の若いエンジニアとしたら、導波管は知っているが実際に使ったことはないそうだ。
民生向けの製品はMMIC (Monolithic Microwave Integrated Circuit) を使って回路を組んでしまうので、
確かに使う機会は減ってきているのかもしれない。
導波管の最大のメリットは、なんといっても挿入損失が少ないことだろう。
今でも特性重視の通信機器などには導波管が使用されている。
そういえばバブルの頃、真っ赤なテスタロッサをドライブして
導波管の納品に来ていた社長さんは、今はどうしているだろうか。