窒化タンタル(TaN)の条件だし実験を3年越しでもう一度行うお話
こんにちは☀yonaです!
7月になりました。1年の折り返し地点です。
3年前の7月に、文系の私が技術部へ配属され、部署内研修が始まりました。
その後、1か月内のジョブローテを行い、
8月頭にスパッタ・エッチング工程を担当することが決まりました。
そこで私が初めて与えられた実験は
「 窒化タンタルスパッタの条件出しをせよ 」
初めての実験☆
初めて与えられたお仕事☆
↓ ↓ その時に、スパッタしたサンプルの一部はこちら ↓↓
↓ ↓ そして、初めて知ったことはこちら! ↓ ↓
(1) TaNのスパッタ膜厚は厚くなるほど、抵抗値が下がる。
抵抗とは、電気の流れにくくする性質があります。
TaNのスパッタ膜厚が分厚くなるほど、断面積が大きくなり、
抵抗の中で電子が動きやすい環境になります。
なので、分厚いほど抵抗が低くなるというわけです。
(2) ターゲットはTaだけど、N2ガスを流してスパッタをするから、TaNになる。
こちらは、「反応性スパッタリング」と呼ばれます。
通常スパッタは、Ar雰囲気中にプラズマ放電をさせ、スパッタしています。
そこに、反応性ガスとして膜と化合させたい気体を混入させてスパッタをします。
そうすると、TaとN2が反応して、TaNの膜がスパッタされます。
条件出しをするには、根気が必要だなと常日頃から思います。
スパッタの条件出しは、毎日毎日スパッタと向き合い、
時には、「なんで条件出てくれないの!!!」と装置に話しかけてしまうことがあるくらいです笑
今期、3年前行った実験を、再び行うこととなりました。
3年前は、先輩が言っていることが”ちんぷんかんぷん”だった私も、今では
「要因として考えられるのは~」なんて、言えたり言えなかったり。
同じ実験を2度行うことは、なかなかないと思うので、
良い経験にして、励みたいと思います\(^o^)/
暑くなりますが、皆様お身体には気を付けて☆
yona.