海外赴任体験記② 「新入社員、異国の地で腹を壊す」--1年10ヶ月を振り返る。

海外赴任は一筋縄ではいかない。
海外赴任の厄介なところは母国勤務とは異なり、衣食住にまでその影響が及んでしまうことだ。
私は生来、胃腸が弱い。
鮮度が悪かったり、使い回しの油を使っていたり、極端に味付けが濃かったりすると、
すぐに腹を壊してしまう。(もちろん、緊張でも腹を壊すチキンメンタルの持ち主)
これはフィリピンにおいて、致命傷に匹敵するウイークポイントとなってしまう。
では、フィリピンにはどんな食事があるのか、その一部を紹介しよう。
【激甘ソーセージ】
これは先輩社員が休憩中に食していたソーセージ。
フィリピンの肉は甘いものが多い。
このソーセージもとても甘く、疲労した脳への糖分補給には最適だ。
毒々しい鮮やかな赤色がなんとも食欲をそそる。
私は食べようと思ったことがない。
【白熱電球がローカルさを際立させる】
【野菜?そんなものありません】
ローカルのBBQ屋台。
ここはなんと、英語がほとんど通じない。(現地語のみ対応可)
既に焼いてある肉を調理係に渡し、炭火で再加熱した「くし刺し肉」を食すことができる。
これぞ、The Philippines Food & Philippines Style
甘酸っぱいソースを絡めると更に美味しく頂ける。
ちなみに手づかみ。
【別日に食べたカツカレーも美味しかった】
工場近くの日本食料理屋。
セブには私の様な日本人赴任者や観光客をターゲットとした日本食料理屋が多く軒を連ねている。
味付けも日本に近く、フィリピンにいながら日本を感じることができる。
値段は日本の倍以上。
【うまい!辛い!汗ヤバイ!】
スタッフハウス近くの韓国料理屋。
セブには日本人以上に中華圏からの移住者が多いので、街中ではコリアンレストランを見かけることも多く、
本場さながらの味を楽しむことができる。
あまりにも香辛料の多いので、私の場合は翌日の軟便が必至・・・
以上の様に、フィリピンの食生活はバラエティーに富んだラインナップが揃っており、
食生活においてマンネリ化することはない。
話を戻そう。
それは何の前触れもなく、突然訪れた。
赴任後3ヶ月が経過した辺りの深夜1時頃、いつもの様に安眠を享受していた私の腹部に経験したことのない激痛が襲った。
その痛みは25歳のいい大人が枕を濡らすほどだった。(マジ泣き)
このときはベッドとトイレの往復を何回繰り返したことだろう・・・
結局、出勤時間までの6時間、腹痛との激闘を繰り広げた。
他の赴任者の諸先輩方と共になんとか工場まで出勤し、そのままクリニックに直行。
(※クリニック:工場の中にある保健室みたいなところで、ドクターとナースが居る)
診断結果は、「アメーバ赤痢」。
フィリピンではお馴染みの感染症だが、日本で発症すれば保険所への届け出が必要になる。
酷い場合だと、高熱・嘔吐を併発することもあるようだ。
私の場合は症状が軽度だったらしく、1日薬を飲んで寝ていたら腹痛は止まった。
何で感染したのかは最後まで分からなかったが、1年10ヶ月のフィリピン生活でアメーバ赤痢の
感染はこの1回だけだったということは幸運といえるだろう。
フィリピンへの渡航を予定されている方々は、是非とも注意して頂きたい。
こうして、フィリピンの手荒い洗礼を受け、更にレベルアップした私は多少の腹痛・軟便にも
怯むことはなくなったのである。(何のレベルアップなんだ・・・)