品質管理、ときいて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。
私がまだ何も知らない学生の頃だったら、単純に検査のことかな?と思うと思います。
ですが、品質管理というのは最後の検査だけではないのです。
むしろ、お客様に安定した品質の製品を届けるには、「工程」の管理が最も重要なのです!
今日は、わたしが品質管理について勉強している中で感動した工程管理ツールの1つ、XR管理図の作り方を紹介します。
XR管理図というのは、X管理図とR管理図が合わさったものです。
XR、と書いていますが、実際は、
と書きます。読み方は、 「えっくす ばー あーる かんりず」です。
X(正確にはエックスバー)、というのは、平均値を指しています。
Xは測定値そのもの、バーがつくと平均値を表します。
X管理図は、管理したい特性値の平均値の変動を知ることができます。
Rというのは、Rangeのこと。データの数値の範囲を表します。
R管理図は、ばらつきの変動を知ることができます。
よって、この2つがあれば、工程に異常があるかどうか、
工程のバラツキの原因はどこにあるのかだいたいつかめるという、
基本的ですが重要なデータ分析ができるのです。
(1)サンプリング
1回のサンプリングで、n個のサンプルを測定し、それをk回繰り返します。
このnとkはそれぞれ、以下のように呼びます。
・n :「群の大きさ」(目安のサンプリング数:4~5)
・k :「群の数」(目安の群の数:20~25)
・n × k :測定回数
※あくまで()内は目安であり、工場や製品の事情、データを取る目的によっても適切な数は変わります。
例えば、こんな感じです。
(2)得られたサンプルについて、群ごとに平均値と範囲を求める
平均値の出し方は、
範囲の出し方は、
先ほどの表を埋めると、こうなります。
(ここまでの段階では、ただ数字が並んでいるだけで、特に役に立たないようにも思えます。)
(3)総平均と範囲平均を求める
総平均の求め方は、
範囲平均の求め方は、
計算したものを表にまとめると、
(5)上方管理限界線(UCL)と下方管理限界線(LCL)の値を計算する
X管理図の計算 ※
R管理図の計算 ※
※係数は以下のように決まっていますので、代入します。
(6)グラフをつくる
それぞれの群の平均値と範囲の値を線グラフにして、それぞれの上方管理線と下方管理線をいれてした図のようにグラフを作成します。
上がX管理図、下がR管理図です。
(7)分析
R管理図の方を見ると、どうやら途中からばらつきがかなり大きくなっており、管理線からはみ出してしまっています。
17の群から、何か工程で問題が起きているみたいです。
そこで、X管理図の方を見てみると、17の群から平均値が少し下がっているようです。
何かあったのか、製造履歴を確認してみる必要がありそうです。