その中でも簡易的に成分分析ができる装置【EDX】についてご紹介致します。
① EDXとは?何ができる?
② EDXでできること(成分分析:マッピング)
③ EDXでできること(成分分析:ポイントスキャン)
① EDXとは?何ができる?
EDXとは、Energy dispersive X-ray spectrometry(EDX, EDS エネルギー分散型X線分析)のこと。
簡易的な成分分析ができる装置です。
広いエネルギー範囲を測定することができるため、同時に多くの元素を分析できます。
また、エネルギー分散型のため、波長分散型のX線成分分析と比べると精度は劣ります。
あくまで、元素を検出するので、化合物の特定はできません。
ただ、原子数濃度からある程度予測することができます。
代表的なメーカーは、日立ハイテク、エダックスなど。
少し年配の方だと、EDXのことを「エダックス」と呼ばれる方もいます。
② EDXでできること(成分分析:マッピング)
SUSの板に、半分油性ペンで色を塗ったものを分析します。
すると、下記のように
・油性ペンで塗ったところは炭素(C)
・塗っていないところは、鉄(Fe)
が、はっきりと画像に表れます。
このように、どの部分にどの元素が存在するのか、分布を知ることができます。
また、全体の成分の割合を、質量%、原子数濃度で変化ができます。
今回は、3分ほどで測定したので、あまりマップ画像が鮮明ではありません。
段差等、電子線が入りにくいところは、感度が悪いですが、
時間をかけて測定(15分-20分程度)すると、
もう少しはっきり、分布を色分けすることができます。
③ EDXでできること(成分分析:ポイントスキャン)
③でマッピングしたデータを用いて、
部分的に成分を調べることができます。
たとえば、下記のように、③のデータに関して3つの範囲の成分をpick upします。
・スペクトル1:
油性ペンで塗っていない表面からは、SUSの成分である鉄(Fe)が主成分で検出されています。
・スペクトル2:
油性ペンで塗った部分は、油性ペンの主成分である炭素(C)が主成分として検出されています。
・スペクトル3:
スペクトル3は、スペクトル2と比べ現品に少し段差があり、電子ビームがスペクトル2よりあたっていない状態です。
このような場合、スペクトル3の部分だけ拡大して、再測定することが望まれます。
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