3Hって何?

出張報告書 台湾 (中編)

出張報告書 台湾 (中編)

前回 【出張報告 台湾(前編)】

 

12月19日(火)

早くも台湾縦断出張は折り返し地点。

 

朝ごはんはホテルの洋食ビュッフェを頂き、この日は台中方面へ。

台湾半導体業界の超大手企業を横目に、次はあそこへ営業しにいこうぜ!と

野心的な話で盛り上がりつつ、一行は大工場が並ぶ工業地帯へ。

最初に訪問したのは製品開発に使用して頂いている企業様。

目からウロコの素晴らしい技術開発話の数々に時間はあっという間に過ぎた。

 

工業地帯から一度離れ、昼食の時間。

この日の昼食は、初日より上司が楽しみにしていた「意麺(イーメン)」。

上司曰く、「明日地球が滅ぶとしたら、最後に食べたい料理は意麺だ!」とのこと。

 

意麺

 

早速、実食。

日本人に馴染みのある例えをするとすれば、「まぜそば」が最も的確だと思う。

だが、まぜそばより脂っこくないし、味付けもしっかりしている。

うーん、なかなか上手い例えが見つからない・・・

しかし、絶品。上司が最後の晩餐に選択するのも頷ける。

週3回はランチで食べれるレベル。最後まで美味しく頂きました。

天に乞う、替え玉10杯、食う権利。

 

 

さて、胃袋もHappyになったところで、次の訪問先へ。

次に訪問したのは実際に量産で使用していて頂いている企業様。

ここでは、先方の技術者と直接話す機会を頂くことができた。

台湾社員の通訳を通して、技術的な話もすることができた。

テンションUP。これが世界で働くということか、と実感。

 

 

これでこの日の訪問スケジュールは終了。

そして、お待ちかねのメインイベント(怒られそうだが・・・)、夕食の時間。

台湾事務所の社員がGoogle先生で高評価のお店を見つけたとのことで、そこへ向かう。

お店の前に到着すると・・・あれ?お客さんがいない・・・

おいおい、ここ大丈夫なのか?そもそも営業してるのか?

 

どうやら営業はしているみたいだ・・・

一瞬躊躇したが、我々は常に挑戦を続ける誇り高きTECDIAN。

それは食に関しても同じこと。腹をくくって、いざ入店。

どうやら、ここは羊鍋のお店とのこと。

台南では牛が名産であったが、台中は羊が美味しい地域らしい。

つくづく食のレパートリーに事欠かない国、台湾。

 

羊鍋②

 

早速、名物の羊鍋を実食。

柔らかい羊肉に生姜などの調味料が利いたスープが絶妙な味わいを生み出している。

結果、かなり美味い。どうやら、最初の心配は不要だったようだ。

サイドメニューではこちら。

そうめんを羊油とニンニクで炒めた料理。(名前忘れた・・・)

 

羊油そうめん

 

これが僕の好みのどストレートを突いてきた。

羊油の優しい味わいがそうめんに絡みつき、控えめにニンニクの味がのってくる。

絶品。

 

私と上司、台湾人社員2人でひたすら食いまくり、胃袋が歓喜の声を上げていると、

お店を経営しているおばさんがフルーツをサービスしてくれた。

 

くだもの

 

聞けば、今日はたまたまお客さんが少なく、いつもは満席とのこと。

この味を知れば、その言葉が真実であることが分かる。

(台湾人社員が大当たりと評するレベルだった)

そしておばさんは上司と僕を見ながらこう聞いた。

「その人達は日本人でしょう?」

 

どうやら僕らが喋る日本語で日本人だと分かった様だ。

そして、こんな昔話をしてくれた。

読者の皆様は「台湾新幹線」をご存知だろうか?

正式名称は台湾高速鉄道。

今から約10年前、初めて日本の新幹線技術を海外輸出し、現地導入した事例である。

当時、その工事の為に多くの日本人技術者が台湾に訪れ、この店にもたくさんの日本人技術者が食事に来ていたとのこと。

 

そして、お店のおばさんはこう続けた。

当時はその日本人達にとても良くしてもらった。

お店も賑やかで楽しかった。

だから、こうしてまた日本人のお客さんを迎らえるのはとても嬉しいと。

 

 

日本にはこういこう諺がある。

「旅の恥は掻き捨て」

私がフィリピン セブ島に赴任していたときも、多くの日本人旅行者を見かけた。

旅行で気分が舞い上がってしまうのも分からなくないが、中には凄く恥ずかしい(痛い)日本人旅行者もいた。

そこに住んでる側としては、同じ日本人として見られたくないと思った・・・

当時、台湾に訪れていた日本人技術者が彼らのような恥ずかしい振る舞いをしていたら、

このお店はこの様な暖かい対応をしてくれていただろうか?

海外において、もう2度と来ないだろうから、と無礼な振る舞いをすることは

そこに住んでいる人達の日本人に対する認識を歪めてしまうことになる。

 

日常生活では中々意識することのない日本人としての意識と誇り。

今回の出張ではとても大切なことを身をもって体験することができた。

当時の日本人技術者の振る舞いと、それを覚えていてくれたお店のおばさんに感謝をし、店を後にした。

 

後編(最終日)へ続く・・・