食欲の秋、栗ごはん 、カロチノイド
こんにちは、技術部のたまごです。
まだまだ暑いですが、もうそろそろ秋がきそうですね。
秋といえば食欲の秋!
食欲の秋といえばホクホクの栗が入った栗ごはん!
見ているだけでお腹がすいてきますね。
ところでこの栗。
普通に栗をごはんといっしょに炊いただけでは、こんなふうに綺麗な黄色になりません。
栗をクチナシの実といっしょに煮込むことで、着色します。
そのままの栗ご飯は、こんな色↓
クチナシの実はこれ↓
そういえば、クチナシの実って、黄色っていうより茶色じゃん…?
ということで、そもそも、この黄色はいったい何なのか?大学の時に学んだうっすらとした知識をもとに、あらためて調べてみました。
栗をクチナシの実と一緒に煮ることで、クロシンやケルセチンというカロチノイド系の物質を主成分とするクチナシ黄色素を抽出することができるとのこと。
綺麗な色の栗ご飯は、このカロチノイドを栗に染みこませているということです。
ちなみに、このクチナシ黄色素に特定の酵素を作用させると、「クチナシ青色素」や「クチナシ赤色素」とよばれる全く別の色素に変わるそうです。
さらに、クチナシ黄色素・クチナシ青色素・クチナシ赤色素をまぜることで、緑色・紫色の着色料をつくることもできるとか。
クチナシ黄色素は、カロチノイドの分子構造(特定の長さの二重結合をもっています)が、特定の光の波長(400から500 nm)を吸収するため、黄色(~赤色)に見えています。
にんじんなどのβ-カロテン、トウガラシ色素のカプサンチン(カプサイシンとは異なります)、一時期はやったトマトのリコピンも、このカロチノイドの仲間です。
400から500nmの光の波長というのは、色でいうと紫と青です。つまり、それ以外の色(緑~黄色~赤あたり)が吸収されずに反射して、色となって私たちの目に見えているということになります。
普段調理しているときは、こんなことを考えずに作っていましたが、こうして化学として何が起きているか知ってみると、自分の食べているものが何なのかよくわからなくなってきそうですね。。。
このままだと、栗ご飯を食べながら、
「じゃあもし栗ご飯を分子レベルで細かく粉砕したら、黄色ではない栗ごはんになるのか・・・?」
「青や緑の栗ご飯も作れるのでは・・・?」
「色って何・・・?」
などと色々考えてしまいそうですので、この記事のことはいったん忘れて食欲の秋を楽しみたいと思います!
(参考:パイン株式会社http://www.pine.co.jp/candy/chishiki04.html)
(参考:グリコ栄養食品株式会社https://www.glico.com/nutrition/product/finechemical/fg1/)