必ずエンストする十字路の謎
以前に狭山工場に勤務していた時は自家用車で片道50Kmを通勤していました。通勤距離は長いのですが、R299の正丸峠越えはほとんど信号がなく交通量も少ないので、思ったほど時間はかかりません。カタログ燃費を大きく超える省燃費を実現していたことからも、いかに車にとって負担の少ないコースであったかがわかります。ちなみに紅葉の時期はR299からR140にかけて大渋滞が予想されますので、車でお出かけの際はご注意ください。
そんな長距離通勤にも慣れ、工場周辺の地理にもある程度詳しくなった頃の話です。
その日は残業を2時間ほどして、帰る時には雨が降っていました。お腹も空いていたので早く帰りたいなと、いつもとは違う信号のない道を選んで走っていました。そのルートには本線を横切る十字路があり一時停止の標識があります。その十字路で一時停止して安全を確認してから発進した時の事でした。ガクンと衝撃を感じエンジンが一瞬、停止しました。それは一瞬だけのエンストであり、すぐにエンジンは復帰しその後は何事もなかったように走ることができました。ただ、その現象が気になったので、しばらくの間、あえてそのルートを通って通勤してみたのですが、その症状が再現することはなく、たまたまだったのかな?と考えるようになっていました。
ところが、突然、その現象が再現しました。そして、その現象には発生する条件があることに気が付きました。それは“雨”です。雨の日にその十字路で一時停止して発進する時に、必ず一瞬だけエンストするのです。この現象がオカルト的なものではないとすれば、必ずその発生メカニズムがあるはずです。そこでこの現象が起こった状況を考察してみました。
- 本降りの雨が降っていた。
- 横切る本線上にはやや深い轍があり、そこに水がたまっていた。
- 本線上の轍をタイヤが乗り越える時にエンストが発生しているようだ。
これらの考察から、おそらくタイヤが水たまりの水を跳ね上げ、その水がセンサーか電装系にかかり、一瞬ショートしてエンストしたのではないかと仮説を立てました。この仮説が正しいとすれば、水を跳ね上げないようにゆっくりとした速度で進めばエンストしないはずです。実際にそうしてみたところ、やはりエンストは発生しませんでした。
そんなバカな、と思われるかもしれませんが、これは実際にあった話です。ちなみにその車は普通の国産車で改造などもしていません。
轍の形状、溜まっていた水の深さと特定の進入速度によって跳ね上げられた水の角度が、たまたまその車のセンサー位置を直撃したと考えるのは無理があるでしょうか?
自動車メーカの技術者の方、このような現象にお心当たりはございませんでしょうか。