セラミック基板の製造方法 -誘電体基板ができあがるまで-
誘電体基板ができあがるまでをご紹介します。
調合・混合
誘電体原料には、チタン酸バリウムや、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムなどが
一般的に用いられおり、材料特性の調整にいろいろな添加材も調合されます。
混合では、ボールミル、遊星ボールミル、ビーズミルなどが使用され、
ボールの衝撃により各原料の粉砕、分散が行われます。
さらに、バインダー(粘結剤)などの添加を行ったものを『スラリー』と呼びます。
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シート成形
スラリーをフィルム上に薄く延ばし、シート成形することを『ドクターブレード法』と言いい、
ここで成形されたセラミックシートを『グリーンシート』と呼びます。
その他では、加圧成形、押出成形、射出・鋳込成形などがあります。
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加工(成形)
巻き取られたグリーンシートは、製品形状に合わせカットや打ち抜きを行い、
基盤の原型となるものが出来上がります。
加工されたシートは、耐火容器に入れられ焼成へ進みます。
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脱バインダー
初めの焼成では、混合時に添加したバインダーなどの有機成分を燃焼させます。
燃焼した有機成分からは有害な成分が含まれたり、引火する可能があるため
ガスを分解する燃焼炉を経て排出することが望ましいとされています。
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焼成
酸化物の焼成には、バッチ炉やトンネル炉が多く用いられます。
加熱すると粒子同士が接合し、粒子間の隙間が狭くなり全体が縮小される現象を『焼結』と呼びます。
完全な焼結体を得るには、約1300℃~1400℃の温度を必要とし、
より緻密に焼き上がったものが良質とされています。
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仕上げ加工
焼き上がったセラミックには、表面に凹凸や反りがあるため、
ラップ研磨や平面研削機で平滑な面に仕上げます。
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検査
外観検査では、カケやピンホールなどの欠陥を取り除きます。
材料特性では、密度、気孔率、強度などの物性試験と、
誘電率、温度特性、絶縁などの電気試験を行います。
これらの試験に合格したセラミック基板が、チップコンデンサに使用されます。