真空ポンプの種類と原理

テクダイヤで使用している真空ポンプ(ロータリーポンプ・ターボ分子ポンプ・油拡散ポンプ・クライオポンプ)について、その特徴と構造を紹介します。

1、 ロータリーポンプ(RP)/油回転ポンプ

構造:

ロータリーポンプは偏心した回転軸をもったローター、固定翼、油によって、空気をかき出す構造。

動力はモーター。(他にも色々な構造がある)

 

動作原理:

ローターは周囲の壁と接しながら回転し、ローターが油面に達すると、空気の逃げ場はなくなり圧縮される。圧縮された空気は、外気1気圧より高くなると、排気口から空気が排出される。

 

特徴:

構造上高真空は得られない。

大気圧から動作する。

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2、ターボ分子ポンプ/TMP

構造:

モーターによって高速回転する精密な動翼と本体に取り付けれた固定翼で構成される。

 

動作原理:

毎分数万回転で回転するファン(動翼)で、気体分子を弾き、固定翼にあて、次の動翼へ順に送る。

最終的に排気側へと気体を押しやる。動翼と固定翼の向きは逆で、分子は後戻りしにくい。

この動作原理のため、スパッタリングなどガスを流しながらの成膜には最適なポンプである。

 

特徴:

油を使用せず、清浄で高い真空度が得られる。

気体の種類によらない排気速度。

構造が複雑で、高額。

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3、油拡散ポンプ(ディフュージョンポンプ)

構造:

外壁が冷却できる容器、油、ヒーター、ジェットと呼ばれるノズルによって構成される。

OIL逆流防止用として液体窒素トラップか、-120〜-150°C程度のコールドトラップを併用する場合がある。

 

動作原理:

装置内の油を蒸発させる。蒸発した油は、ジェット中心部の煙突を上り、ノズルから下向きに勢いよく噴き出す。周囲にある気体分子は、油分子に飛ばされ、下の方に圧縮される。

排気口からは、ロータリーポンプで、排気する。

壁面にあたった油上記は冷却され、液体に戻り、底面に戻る。

 

特徴:

構造上、駆動部が無いため故障が少なく、他の高真空ポンプと比較して安価。

テクダイヤでは、OIL逆流防止と水分に対する排気速度向上のため液体窒素トラップを併用。

液体窒素トラップの難点としては、高頻度で液体窒素を入れなければならないこと。

 

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4、クライオポンプ

構造:

約80K(-193.15℃)および約20K(-253.1℃)に冷却された2種のパネルと、20Kパネルの活性炭で構成される。(他にも色々な構造がある)

 

動作原理:

気体は低温になると蒸気圧が大幅に低くなるため、80Kおよび20Kのパネルに気体が凝結、吸着する。

この原理を用い排気する。溜込み式のポンプ。

 

特徴:

一定サイクルで再生処理が必要

油を使用せず、清浄で高い真空度が得られる。

水に対する排気速度が速い。 (空気の約3倍)

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ポンプの種類によって、メンテナンス性やコスト、真空の質など様々な特徴があります。

テクダイヤで使用している真空ポンプの比較をまとめましたので、ご参考ください。

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