今回の、ブログの内容は、以下の通りです。
1. コンデンサの構造と静電容量とは
2. 誘電体の一般的な構造
3. 高誘電率系のセラミックコンデンサ(GBBL構造)の製品をデザインする際に注意するべき事
セラミックコンデンサを選ぶ時の注意点

1. コンデンサの構造と静電容量とは
コンデンサは英語では、キャパシタンス(capacitance)と呼ばれています。
静電容量は、コンデンサの特性を表す「電荷を溜める事のできる量を表す値」です。
水に例えると、ある水位(電圧V)においてどれだけの水量(電荷Q)を
蓄えられるかという貯蔵量を表すものです。[Q=CV]
空間に配置された二つの導電体の間には必ずこの静電容量が作られます。
その静電容量の値は、二つの導電体の距離と形状、導電体の間の空間の性質によって決定されます。
例えば、下記の様に金属性の板(=導電体)を平行にし、電圧を加えると静電容量を形成します。
静電容量Cの値は、金属板の面積Sと金属板同士の距離d、
及び金属板の間の絶縁体の誘電率εrにより決定されます。
(ε0は真空の誘電率で8.854187…× 10E-12、 εrは絶縁体の誘電率です。)
Sとdが同じ場合は、静電容量Cは絶縁体の誘電率εrが変化することにより変化します。
2. 誘電体の一般的な構造
絶縁体の誘電率εrは、誘電体の種類によって異なります 。
弊社では、EIA-198-1-Fに基づき誘電体材料をClass1~4まで分けています。
参考:TECDIA HP 誘電体仕様
http://誘電体仕様 - 基本情報 - セラミック応用製品 - 製品・サービス情報 : テクダイヤ株式会社TECDIA
Class1,2, 4では、誘電体の構造が異なっている為に、誘電率が大きく異なります。
【Class1,2】
誘電率(nominal値):40, 90, 140, 280, 1600, 2800

Class1~2の誘電体は、絶縁体を、導体で挟み込んでいます。
絶縁体自体は、酸化物セラミックですので、種々の構成する酸化物によって、誘電率が異なります。
【Class4】
誘電率(nominal値):16000, 30000, 50000 (高誘電率系のセラミック)
GBBL[Grain Boundary Barrier Layer]構造

引用:File:Sperrschichtkondensator-WIKI-English.png - Wikipedia
GBBLは、その言葉の表す通り、「結晶粒子が導電性を示し、粒界が絶縁性を示す構造」。
イメージとしては、小さいコンデンサが縦・横・斜めに並んでいる構造をイメージすると
理解しやすいと思います。この構造の為に、誘電率が、大きくなっています。
弊社では、EIA-198-1-Fに基づき誘電体材料をClass1~4まで分けています。
参考:TECDIA HP 誘電体仕様
http://誘電体仕様 - 基本情報 - セラミック応用製品 - 製品・サービス情報 : テクダイヤ株式会社TECDIA
Class1,2, 4では、誘電体の構造が異なっている為に、誘電率が大きく異なります。
【Class1,2】
誘電率(nominal値):40, 90, 140, 280, 1600, 2800

Class1~2の誘電体は、絶縁体を、導体で挟み込んでいます。
絶縁体自体は、酸化物セラミックですので、種々の構成する酸化物によって、誘電率が異なります。
【Class4】
誘電率(nominal値):16000, 30000, 50000 (高誘電率系のセラミック)
GBBL[Grain Boundary Barrier Layer]構造

引用:File:Sperrschichtkondensator-WIKI-English.png - Wikipedia
GBBLは、その言葉の表す通り、「結晶粒子が導電性を示し、粒界が絶縁性を示す構造」。
イメージとしては、小さいコンデンサが縦・横・斜めに並んでいる構造をイメージすると
理解しやすいと思います。この構造の為に、誘電率が、大きくなっています。
3. 高誘電率系のセラミックコンデンサ(GBBL構造)の製品をデザインする際に注意するべき事
セラミックコンデンサの型番には静電容量が記載されていますが、
この静電容量がセラミックコンデンサに印加する直流電圧によって変化することをご存知でしょうか ?
直流電圧の印加によって静電容量が変化(減少)する特性を「DCバイアス特性」(直流バイアス特性・直流電圧特性ともいう)と呼びます。
セラミックコンデンサは、「公称値」と「実際に使用する動作条件下での実容量」との間で大きな差があるという事です。
その為、セラミックコンデンサの電圧特性を理解し、適切なものを選定する事が重要です。
設計する方は、温度特性に関しては、よく理解しています。
しかし実際の動作条件下では、製品の環境温度が変化する以外に、
直流電圧が印加される場合があります。
すなわち、温度特性データに加えて、DCバイアス特性データも事前に確認しておく必要があります。
その際には、参考にするデータの測定条件をよく確認してください。
ちなみに、弊社では、以下の通りです。
製品の動作条件下では、これらが加算されて容量値が変化すると理解してください。
他にも、経時変化特性データも重要になります。

参考:TECDIA HP 特性データ
http://特性データ - 基本情報 - セラミック応用製品 - 製品・サービス情報 : テクダイヤ株式会社TECDIA
今回は、弊社製品をデザイン-インする際に、注意するべき事を少しだけ説明しました。少しでも参考になれば良いと思います。
この静電容量がセラミックコンデンサに印加する直流電圧によって変化することをご存知でしょうか ?
直流電圧の印加によって静電容量が変化(減少)する特性を「DCバイアス特性」(直流バイアス特性・直流電圧特性ともいう)と呼びます。
セラミックコンデンサは、「公称値」と「実際に使用する動作条件下での実容量」との間で大きな差があるという事です。
その為、セラミックコンデンサの電圧特性を理解し、適切なものを選定する事が重要です。
設計する方は、温度特性に関しては、よく理解しています。
しかし実際の動作条件下では、製品の環境温度が変化する以外に、
直流電圧が印加される場合があります。
すなわち、温度特性データに加えて、DCバイアス特性データも事前に確認しておく必要があります。
その際には、参考にするデータの測定条件をよく確認してください。
ちなみに、弊社では、以下の通りです。
- 温度特性データ:No Biasで容量値を測定したデータをcatalogへ掲載。
- DCバイアス特性データ:@25℃の常温の時の容量値のデータをcatalogへ掲載。
製品の動作条件下では、これらが加算されて容量値が変化すると理解してください。
他にも、経時変化特性データも重要になります。


参考:TECDIA HP 特性データ
http://特性データ - 基本情報 - セラミック応用製品 - 製品・サービス情報 : テクダイヤ株式会社TECDIA
今回は、弊社製品をデザイン-インする際に、注意するべき事を少しだけ説明しました。少しでも参考になれば良いと思います。