原価管理について

原価管理と聞いて皆さんは何を想像されるでしょうか。「製品の原価を算出し、他部門の見積依頼に対して回答を行い、売価と比較して赤字型番を明確にして対策すること。」でしょうか。でも、その対策が「いざ対策しよう。」だけでは難しかったりします。今回は原価管理について思うところを徒然に述べたいと思います。

原価管理の主体者

ネット検索すれば、「原価管理とは、原価の標準を設定してこれを指示し、原価の実際の発生額を計算記録し、これを標準と比較して、その差異の原因を分析し、これに関する資料を経営管理者に報告し、原価能率を増進する措置を講ずることをいう。」とありました。

 

原価に馴染みのない方には、具体的にはピンと来ないかも知れませんが、普段、原価に接している方からすれば、「よく簡単にそんなこと言ってくれるよな。」と思われるのではないでしょうか。

 

原価管理は誰がやるのでしょう。

 

お金を取り扱っている経理部でしょうか。大企業で部門としてよくある原価管理部でしょうか。はたまた、経営管理者でしょうか

 

私なりの答えは、「従業員全員」です。

それは企業活動において、ひとりひとりの仕事が原価に結びついているからです。原価に関係するのは製造であって、営業や事務は関係ないと思われるかも知れませんが、その方々の給料や会社のお金を使ってやることは全て原価となります。(誤解なき様に言えば会社の費用になります。)

 

ここでは原価論(以前のブログで記載しましたが)はさておき、皆さんの仕事ひとつひとつが原価を構成していると思って頂ければと思います。

私の考える原価管理とは

上述のネット検索の文言に戻りますが、

①「原価の標準を設定してこれを指示し」

②「原価の実際の発生額を計算記録し」

③「標準と比較して、その差異の原因を分析し」

④「これに関する資料を経営管理者に報告し」

⑤「原価能率を増進する措置を講ずる」

とあります。

 

本当に大変なことをさらりと無駄なく定義しているなぁと思います。

 

①~④を実現するために巷では原価管理システムなるものがパッケージとして多数販売されています。でも、大切なのは皆さんもお気付きのように⑤です。⑤は簡単に言えばコスト削減対策です。システムも安い買い物でないので、そのシステムが自分の会社に適合し、無理なく効果的にコスト削減に繋がるシステムなのかを充分に吟味する必要があります。

 

私なりの考えはどんなパッケージシステムでも①~④を無理なく行うことは難しいと考えています。どんなシステムでもそうですが、特に②などはシステムに付随する業務増を何のために、どのくらいまでやるかを従業員全員に理解してもらわなければなりません。原価管理担当者だけが原価管理業務を一人でやっていても実のあるコスト削減には繋がりません。

 

又、「効果的にコスト削減に繋がる」のここでの効果的の意味は経営者含め皆さんの仕事に参考となる④の「これに関する資料(データ)」になっているかということです。

製品原価の材料費部分のデータをもらっても「何でそんなに標準と差が出てるのか理解できない。」とか、加工費部分のデータだけでは、「今の生産状況で人や設備が無駄になっているとは思えない。」とか、「品質を確保するためにこの作業は必要。」、「会社で決められたことを遂行するのでこの費用はどうしようもない。」等の結果になることが多く、コスト削減に簡単には結びつきません。

原価企画の重要性

「じゃ、原価管理(コスト削減対策)はどうしよう。」となりますが、私なりの考えは、「原価を企画する。(創り込む。)」ということです。少なくとも現状原価があるなら、更にコスト低減対策を反映した企画原価を創造し設定するということです。

企画原価という言葉は、新製品を生み出す時によく使われたりしますが、製造業の場合、「製品原価は設計の段階で7~8割は決まる。」と言われています。(だから量産後の原価低減は難しいという理由にもなっていますが)そのため、多くの企業では設計レビューの中に原価、採算性などの検討項目が入っていますが、その手法を既存量産型番にも拡大適用します。

 

想像しただけでも製造、技術、品質、購買、管理部門とも面倒な作業が増えることになるかと思います。実際、設計段階で原価、採算性を真剣に検討できている企業は少ないと思いますし、量産後なら尚更です。その理由は、当然と言えば当然なのですが、品質、納期が優先されるからです。顧客の満足する品質、納期でないと売れないからです。原価面では、今の見積計算上の原価が顧客希望の売価に見合うかどうかぐらいのチェックで終わり、充分に時間をかけて更に利益を生むためのコスト低減対策も見込んだ採算性検討までに中々至りません。

 

そういった時間制約の中で「原価を企画する。(創り込む。)」ためには、効果的な原価データの提供が必要となってきます。

各部門(ひとりひとり)が自部門の(私の)コスト対策に本当に必要なデータは何かということを普段から考え、

そのデータ集計方法をどうやれば無理なくシステムに反映できるか検討し、

企画原価とその差異分析を第三者として原価管理担当者がとりまとめ、

各部門とコスト削減対策について管理者と共に協議する。

ということを普段から行っていく必要があります。

さいごに

普段から皆さんひとりひとりが原価を意識するというのは難しいことだと思います。

又、その原価の何に対して意識付けするのかとということも企業によって部門によって個人によって異なります。

原価管理とは確かに上述した①~⑤になることに間違いはないのですが、私自身の大義としては「従業員ひとりひとりへの啓蒙活動」がしっくりきます。

 

 

以上

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