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ヒューマンエラー 傾向と対策

ヒューマンエラー 傾向と対策
製造現場ではヒューマンエラーをいかになくしていくかが大きな課題です。
今回はヒューマンエラーとはどのようなもので、どうすることで減らすことができるのかについて紹介します。

まずヒューマンエラーとはどのような場合に発生するでしょうか?

思いつくだけでも①不慣れ、経験不足,②不注意,③慣れや自己流による手順省略,④コミュニケーション不足,⑤思い込みによる勘違い,⑥疲労による意識低下などがあります。

ここで重要なのはヒューマンエラーとは原因ではなく結果であるという認識です。
つまり、事故の原因はヒューマンエラーそのものにあるのではなく、エラーの背景にある様々な要素が真因だということです。

そのため、ヒューマンエラーの発生を防止して、事故を未然に防ぐためには、エラーを誘発させる背景要因に有効な対策をする必要があります。

ではどのような対策が有効でしょうか?

1つ目はそもそもエラーの発生する業務をなくしてしまうことです。

エラーというものは業務にともなって起こるもので、そもそもリスクのある業務を無くすことができれば、エラーも無くなります。

業務をすべてやめることは難しいことですが、リスクのある業務を「やめる」「なくす」「減らす」という対策は、あらゆる対策の中でも極めて効果が高いです。

 

2つ目はエラーを起こさせない工夫をするということです。インタロックやリミットスイッチなどがこれにあたります。設計や計画の段階で起こりうるエラーを洗い出し、それが物理的に生じない工夫をあらかじめ実施することです。

 

3つ目は業務を明快化、簡潔化することです。
エラーは複雑な状況や人間の認知能力を超えるような場面で発生しやすいものです。

エラーが発生する可能性がある状況を、わかりやすくすることによって簡単なミスやエラーを回避することができます。業務をわかりやすくするために有効な手段はマニュアルの作成です。写真や図を使用し、簡潔で読みやすい文章で構成し、初めての人でも理解できるようにすることが大切です。

4つ目は知覚させる、気付かせることです。
注意喚起の標識や割れ物注意などのシールなどがこれにあたります。

人間はまれに危険な状況を見落とすことを考慮したもので、できる限り早い段階で危険を知覚させ、注意を促すことを目的としています。
たとえば文字の色やフォントを変えることで、注意点に意識が向くようにすることが有効です。

 

5つ目は作業者以外の確認により見落としを防止することです。

これについてはダブルチェックが有効な方法です。但し、意識が低いとダブルチェック前提のダブルチェックとなり形骸してしまうので注意が必要です。
1回目の作業者は、2回目の作業者を過剰に信用せず、自分が全部間違いを見つけるんだという意気込みで作業に取り組む必要があります。

また、2回目の作業者は、1回目の作業者がどんなに優秀な人でも疑ってかかることが大切です。

6つ目は事故を予測する力を付けることです。
常日頃から危険予知トレーニングをおこない、リスクに対する意識を高めることが大切です。想定していないリスクを回避することはできません。日常の中にある些細な危険にも目を光らせ、気づいたらすぐに改善するという癖をつけることが重要です。

要するにヒューマンエラーとは人が作業する上で必ず発生してしまうものであり、その原因を個人に求めるのではなくシステムとしていかにしてヒューマンエラーが発生しない仕組みを作成し実行していくかということが大切です。