2022年に定年を迎え、現在は既存製品の品質保証サポートと技術開発部のFAEの一員として働いています。前職で15年、テクダイヤで22年品質保証を担当してきました。私の拙い経験でも就活生の皆さんの参考になればと思い、私自身の職歴と長い社会人生活で何を考えてきたのかを紹介します。
37年間の社会人生活を経て~就活生へのメッセージ~
目次
1. テクダイヤでの品質保証の取り組み
テクダイヤの品質保証には、大きく分けて3つの枠組みがあります。
①製品設計の品質保証
技術の開発段階から参画し、製品の機能や信頼性を評価して、その完成度と潜在的なリスクをカバーする施策を検討し、②と③に盛り込みます。
②生産段階の品質保証
生産段階の品質保証として、製造工程の品質リスク管理やアウトプットの品質保証をするための検査方法/条件を設計し、監視します。
③標準化・システム化の推進
安定的な品質を効率よく達成するための知恵の部分で、以前は文書化や訓練が中心でしたが、現在ではDX推進が大きな課題となっています。最近の展示会やWebで登場するAIを活用した*¹スマートファクトリーと言うのが究極ですが、一足飛びに到達できるものではありませんので、それに近づけていく努力が必要になります。
上記の枠組は、製造業に共通する要素かと思います。テクダイヤも3つを重視し、データや経験を積んでメンバーの業務スキルアップと、品質保証システムのレベルアップに取り組んできました。
また、社内外の品質問題は敬遠したくなるのが常ですが、若手にとっては大きな学びの材料になっていると思います。品質問題は、上記の3つの枠組の不十分なところが結果として表出したものなので、それを調べて解析し改善の手を打つという*²PDCAが重要な業務になります。その過程で、新たな事実や知見を得ることで自分の成長の糧を得ることができるため、やりがいのある仕事だと思います。
今の私はスキルを伝える側の立場です。もちろん、メンバーが自分でやれるところまでは見守り、少し助言するだけでゴールに到達することができれば理想的です。しかし、メンバーそれぞれに個性があるため、伝え方に関しては手探りでやっているところがあり、私自身の修行の場にもなっています。
また、クレームなどは、22年間やってきた私でもいまだに新たな知見を得ることがあります。品質保証の仕事は、学ぶ材料にこと欠くことはありません。
*¹スマートファクトリー:IoTやAIなどの先端技術を活用し、製造工程の自動化・最適化を図ることで効率化と柔軟な生産を実現する次世代の工場
*²PDCA:「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Act(改善)」の4つのステップを繰り返すことで、業務やプロセスの継続的な改善を図る手法。
①製品設計の品質保証
技術の開発段階から参画し、製品の機能や信頼性を評価して、その完成度と潜在的なリスクをカバーする施策を検討し、②と③に盛り込みます。
②生産段階の品質保証
生産段階の品質保証として、製造工程の品質リスク管理やアウトプットの品質保証をするための検査方法/条件を設計し、監視します。
③標準化・システム化の推進
安定的な品質を効率よく達成するための知恵の部分で、以前は文書化や訓練が中心でしたが、現在ではDX推進が大きな課題となっています。最近の展示会やWebで登場するAIを活用した*¹スマートファクトリーと言うのが究極ですが、一足飛びに到達できるものではありませんので、それに近づけていく努力が必要になります。
上記の枠組は、製造業に共通する要素かと思います。テクダイヤも3つを重視し、データや経験を積んでメンバーの業務スキルアップと、品質保証システムのレベルアップに取り組んできました。
また、社内外の品質問題は敬遠したくなるのが常ですが、若手にとっては大きな学びの材料になっていると思います。品質問題は、上記の3つの枠組の不十分なところが結果として表出したものなので、それを調べて解析し改善の手を打つという*²PDCAが重要な業務になります。その過程で、新たな事実や知見を得ることで自分の成長の糧を得ることができるため、やりがいのある仕事だと思います。
今の私はスキルを伝える側の立場です。もちろん、メンバーが自分でやれるところまでは見守り、少し助言するだけでゴールに到達することができれば理想的です。しかし、メンバーそれぞれに個性があるため、伝え方に関しては手探りでやっているところがあり、私自身の修行の場にもなっています。
また、クレームなどは、22年間やってきた私でもいまだに新たな知見を得ることがあります。品質保証の仕事は、学ぶ材料にこと欠くことはありません。
*¹スマートファクトリー:IoTやAIなどの先端技術を活用し、製造工程の自動化・最適化を図ることで効率化と柔軟な生産を実現する次世代の工場
*²PDCA:「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Act(改善)」の4つのステップを繰り返すことで、業務やプロセスの継続的な改善を図る手法。
2. 私の職歴 ~前職の経歴とテクダイヤへの転職~
最初に社会人をスタートしたときの会社では、マグネットを使った商品開発が最初の仕事でした。学生時代に強磁性材料の物性を研究していたため、そのつながりがありました。
商品開発の仕事は1年だけで、その後は新たに始まったハードディスクドライブ用薄膜磁気ヘッドの開発~生産活動に組み込まれました。この関係の仕事が12年ほど続きました。その間、品質管理、製造、プロダクトエンジニアリングといった部署を経験しました。アメリカの会社との合弁事業でしたので、アメリカのメンバーから学んだことも多かったし、タイの工場にも2年間駐在しましたので、海外量産工場での仕事のやり方も学ぶことができました。
その合弁会社がクローズになったため、原籍に復帰。2年間、マグネット組立品の営業をしました。振り返ってみると盛りだくさんな経験をさせてもらったと思います。
40歳になったときに、このままだとゼネラリストに進む流れだったため、そこに疑問を感じ転職活動を始めました。高度成長時代と違って、不確実な時代に入っていましたので、専門性を磨いて生きていくことを決意しました。
日本が強みを持っている”素材系の製造メーカー”で”品質保証”を専門とすることを選択。縁あってテクダイヤに転職し、入社後は希望通り品質保証の仕事を、今に至るまで22年間勤めています。
商品開発の仕事は1年だけで、その後は新たに始まったハードディスクドライブ用薄膜磁気ヘッドの開発~生産活動に組み込まれました。この関係の仕事が12年ほど続きました。その間、品質管理、製造、プロダクトエンジニアリングといった部署を経験しました。アメリカの会社との合弁事業でしたので、アメリカのメンバーから学んだことも多かったし、タイの工場にも2年間駐在しましたので、海外量産工場での仕事のやり方も学ぶことができました。
その合弁会社がクローズになったため、原籍に復帰。2年間、マグネット組立品の営業をしました。振り返ってみると盛りだくさんな経験をさせてもらったと思います。
40歳になったときに、このままだとゼネラリストに進む流れだったため、そこに疑問を感じ転職活動を始めました。高度成長時代と違って、不確実な時代に入っていましたので、専門性を磨いて生きていくことを決意しました。
日本が強みを持っている”素材系の製造メーカー”で”品質保証”を専門とすることを選択。縁あってテクダイヤに転職し、入社後は希望通り品質保証の仕事を、今に至るまで22年間勤めています。
3. なぜ品質保証を専門に選んだか
品質保証の仕事に魅力を感じたきっかけは、前職時代の1990年に学んだ日科技連のQCベーシックコースを受講したことにあります。
当時は、”Made in Japan”がブランドになるほど日本製品の品質が世界中に認められていました。先人達が努力と苦労で勝ち得た品質管理、品質保証のノウハウと考え方を学び、私は大きな感動を得ました。前職の薄膜磁気ヘッド関係の業務では、この学びが大変役に立ちました。テクダイヤ入社後の品質保証業務でも大きな支えになってきたことは言うまでもありません。
また、品質保証の考え方にも魅力を感じました。
後工程はお客様、クレームはお客様が提供してくれる品質情報、勘ではなくデータに基づく品質管理、*³5ゲン主義など、業務の基本を教えてくれます。
さらに科学的なアプローチとして統計手法や信頼性工学があります。品質マネジメントシステムでは、ISO9001が有名です。これらの先人の知恵を自社製品の品質管理、品質保証活動に組み入れ、お客さまに安心と信頼を提供していく取り組みは、大きなやりがいのある仕事でした。
さらに魅力的なのは、世の品質保証の進化です。
生産方式が、マニュアル作業から自動化、さらにはAIまで組み入れたスマートファクトリーにまで進化してきています。そのため、品質保証もそれに応じたやり方が必要になってきています。
多くの製品がモノづくりからコトづくりへ移行していく流れにあります。顧客が求めるコトが変化していくので、それを保証していく手段やシステムも変化していくことでしょう。
我々の生産活動や品質保証もこの進化に遅れてはなりません。
*³5ゲン主義:現場、現実、現物、原理、原則から成る職場における問題解決や改善の基本原則
当時は、”Made in Japan”がブランドになるほど日本製品の品質が世界中に認められていました。先人達が努力と苦労で勝ち得た品質管理、品質保証のノウハウと考え方を学び、私は大きな感動を得ました。前職の薄膜磁気ヘッド関係の業務では、この学びが大変役に立ちました。テクダイヤ入社後の品質保証業務でも大きな支えになってきたことは言うまでもありません。
また、品質保証の考え方にも魅力を感じました。
後工程はお客様、クレームはお客様が提供してくれる品質情報、勘ではなくデータに基づく品質管理、*³5ゲン主義など、業務の基本を教えてくれます。
さらに科学的なアプローチとして統計手法や信頼性工学があります。品質マネジメントシステムでは、ISO9001が有名です。これらの先人の知恵を自社製品の品質管理、品質保証活動に組み入れ、お客さまに安心と信頼を提供していく取り組みは、大きなやりがいのある仕事でした。
さらに魅力的なのは、世の品質保証の進化です。
生産方式が、マニュアル作業から自動化、さらにはAIまで組み入れたスマートファクトリーにまで進化してきています。そのため、品質保証もそれに応じたやり方が必要になってきています。
多くの製品がモノづくりからコトづくりへ移行していく流れにあります。顧客が求めるコトが変化していくので、それを保証していく手段やシステムも変化していくことでしょう。
我々の生産活動や品質保証もこの進化に遅れてはなりません。
*³5ゲン主義:現場、現実、現物、原理、原則から成る職場における問題解決や改善の基本原則
4. 就活生の皆さんへ
37年前の就職活動で、私は大学で研究していた強磁性体の開発をやりたくてマグネットメーカーを選びました。ですが、希望していたマグネット素材開発の仕事はやらせてもらえませんでした。その後の職歴や品質保証業務を一生の仕事に選んだ経緯は前出のとおりです。新たな仕事との出会いがあり、その中で新たな希望を持ち、それに向かって進んできて、今に至っています。
テクダイヤの若手に入社動機を聞いたとき、多かったのが”やりがいのある仕事を見つけられそう”という答えが多くありました。その場合は、会社が期待する仕事をやっていくことでその仕事の深みが分かってきて、面白さを感じることができれば、モチベーションに繋がります。
どんな仕事でも奥は深いものなので、中途半端にせず、とことんやってみることが重要です。選んだら少しくらいの挫折で逃げ出さないことを伝えたいですね。就活生の皆さんには、自分が選んだ会社を元気にして、会社を通じて社会に貢献されることを期待しています。
テクダイヤの若手に入社動機を聞いたとき、多かったのが”やりがいのある仕事を見つけられそう”という答えが多くありました。その場合は、会社が期待する仕事をやっていくことでその仕事の深みが分かってきて、面白さを感じることができれば、モチベーションに繋がります。
どんな仕事でも奥は深いものなので、中途半端にせず、とことんやってみることが重要です。選んだら少しくらいの挫折で逃げ出さないことを伝えたいですね。就活生の皆さんには、自分が選んだ会社を元気にして、会社を通じて社会に貢献されることを期待しています。