穴あけ技術確立までの失敗談
無理だと思い込んで諦めていた…
そんな経験が、私にはあります。
弊社には、最少内径8μmまで穴を開ける技術があります。
以前、穴をあける技術はあるのに、機械加工による「バリ」を
取る方法がなく、悪戦苦闘していました。
(穴の周りについているトゲのようなものがバリです。)
ターゲットとなる製品は、穴が開いていても、バリがあっては製品として成り立たないもの。
社内での加工方法模索だけでなく、どこかバリを取れるメーカーはないか調査、試作の繰り返し…
なかなか思うような結果が得られず、技術確立をあきらめていました。
そんな絶望的な状況で、これまでの流れを振り返っている中、
「このプロセスではできない」と、諦めていた工法に目が留まりました。
確かにその工法では、位置の調整が難しいという懸念点があり、
社内での検討段階でNGという判断をし、試作を行っていませんでした。
しかし、
「この工法で試作すると、どんなデータが出るんだろう」
「何か判断する材料になるかもしれない」
最後の望みをかけて、弊社のスペシャリストに助けていただき、試作してみると…
見事に、きれいな穴に変身!
今まで悩んでいたのがウソのよう。
社内にバリをとる技術があったのです。
このことから、弊社の職人技術の素晴らしさを改めて実感しました。
それと同時に、「できない」と判断できる根拠がないのに、
やらないで諦めてしまうことの情けなさを痛感しました。
それからは、現物・データ化と見えるような形に残し、判断するよう意識しています。
入社4年目、機械加工・表面処理担当者の、過去の失敗談でした。