レジスト

ねねです、どうも。
今日は辞書ページと題しまして、テクダイヤに関係する専門用語の解説記事を書いていきたいと思います。
今回のお題は”レジスト”です。
レジストは、私が普段働いているフォトリソグラフィ工程の中で使うものになります。
さて、果たしてレジストとはいったい何者なのでしょうか。
レジストとはいったい何者なのか?
レジストとは「光感光性樹脂」のこと。
簡単に言うと光を当てることにより、反応を起こす性質を持つ樹脂です。
この反応によって樹脂の溶解度が変化し、溶剤に対して溶けるか否かが決まります。
ただ樹脂と言ってもどろどろとした液体で、その種類によって色も粘度も様々です。
この性質を使って、シリコンなどのウェハ(テクダイヤではアルミナ基板など)に微細なパターンを形成します。
レジストはどうやって使うの?
レジストを使うプロセスは大きく以下の3つで構成されています。
①レジスト塗布
②露光
③現像
順に説明していくと、
①レジスト塗布
一般にスピンコーターと呼ばれる装置を使い、ウェハにレジストを塗布します。
レジストの滴下したウェハ高速回転させ、レジストを引き延ばすのですが、
その際の、
・レジストの粘度
・スピンコーターの回転数・時間
によってレジストの膜厚や均一に塗れるかが変わってきます。
②露光
塗布したレジスト表面に光を照射して反応を起こします。
この反応には紫外線が使われるため、太陽光や白色蛍光灯の下では作業ができません。
詳しくはこちらの参照ください(イエロールーム : https://tecdlab.com/2017/06/2613/)
また紫外線とはいってもレジストの種類によって、感光域が異なるため、
定められた感光域の波長で露光を行う必要があります。
③現像
現像液と呼ばれる溶剤に浸けてレジストを除去し、露光したパターンを露出させます。
レジストには露光後の性質で大きく分けると、
・ポジレジスト
・ネガレジスト が2種類にあります。
現像では、レジストを溶かして除去することになるのですが、この2種類のレジストは、
・ポジレジスト
光が照射された部分が現像液に溶ける、照射されなかった部分が溶けない
・ネガレジスト
光が照射された部分が現像液に溶けない、照射されなかった部分が溶ける
このように真逆の性質を示します。
また作りたいパターン形状によって得意不得意があるため、条件に合ったレジストの選定が必要になります。
最後に
ここまでプロセスと共に、レジストの特徴について紹介してきました。
しかし今回書ききれずに省略してしまった、
例えば、
・溶剤を蒸発させるベーク工程
・スプレーコーターと呼ばれるレジスト塗布方法
などのプロセスや方法がいくつもあります。
これらを網羅した上で、まず必要な性能を発揮するレジストを、
そしてそのレジストを使うのに最適なプロセスを選定することが重要な項目であると言えると思います。