1.ナノインデンテーション法とは
2.ナノインデンテーション法の原理
3.ダイヤモンド圧子(ナノインデンター)とは
4.ダイヤモンド圧子の種類
1.ナノインデンテーション法とは
ナノインデンテーション法(Nano Indentation: NI)とは、工業材料などの硬さを測定するための、硬さ試験と呼ばれる評価ツールの1種です。硬さ試験は、大きく3種類に分けられます。
①押し込み硬さ … 材料に物体を押し込み、くぼみを測定する方法
②反発硬さ … 材料(物体)を落とし、跳ね上がる高さを測定する方法
③引っ掻き硬さ … 材料に傷を付け、傷の有無や幅等を測定する方法
ナノインデンテーション法は、上記3種の硬さ試験では測定困難であった特性を測定する手法です。ナノインデンテーション法により、微量試料や薄膜試料の力学的特性の測定が可能となりました。
2.ナノインデンテーション法の原理
ナノインデンテーション法の原理は、測定装置にダイヤモンド圧子と呼ばれるインデンターを装着し測定します。先端に極小のダイヤモンドを使用した、突起状のダイヤモンド圧子(あっし)を押し込むことで薄膜や微小領域の硬さ、ヤング率など材料特性を測定します。
ナノインデンテーション法では、幅広い材料の表面改質や、線量の測定が可能です。
材料例
金属・セラミクス・酸化膜・窒化膜・カーボン系材料・有機高分子材料など
3.ダイヤモンド圧子(ナノインデンター)とは
ナノインデンテーション法では、測定装置自体の性能・精度もさることながら、この押し込み測定をするときの端子となるダイヤモンド圧子(ナノインデンター)の性能・精度も非常に重要なファクターとなります。故に、ダイヤモンド圧子の精度は、限りなく高精度な形状である必要があるのです。

ナノインデンター
ナノインデンテーション法で使用されるダイヤモンド圧子は、ナノインデンターと呼ばれ、全長2~3mm、工具径0.5ミリ程度、先端半径は、100nm未満という微細かつ高精度な形状です。ダイヤモンドは地球上で最も硬質な素材でありながらも、脆弱で、加工には高度な技術が必要とされます。また、微細加工されたダイヤモンドを、シャンクと呼ばれる金属棒に溶着するためには、精度の高い溶着技術が必要とされています。
4.ダイヤモンド圧子の種類
ナノインデンテーションで使用されるナノインデンターの他に、さまざまな先端形状のダイヤモンド圧子が存在します。
ロックウェル硬さ試験 … ロックウェルダイヤモンド圧子
ビッカース硬さ試験 … ビッカースダイヤモンド圧子・ヌープダイヤモンド圧子
テクダイヤでは、お客様の用途に合わせ、ロックウェル型、バーコビッチ型、ビッカース型、ヌープ型、ショア型などカ先端スタマイズのご要望にもお応えいたします。さらに、卓越した加工技術で、製品間の形状ばらつきを圧倒的に抑制し、圧子個体差による試験時の問題を軽減します。シャンクの材料や、形状のカスタマイズも対応いたしますのでぜひご相談ください。
テクダイヤ株式会社「ダイヤモンド圧子」
http://www.tecdia.com/jp/products/diamond/diamondindenter.php
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