履歴書の『趣味欄』の使い方
現在、2021卒の採用活動の真っ只中。数多くの履歴書を見るのですが気になったことが一つ。
特技・趣味の欄に音楽鑑賞と書く人が少なくないのですが、マニアじゃない限り止めたほうがいいです。
就活の履歴書は自分を紹介するものというより、自分を売り込むための資料です。
他の人との差を可視化する必要があります。
「学生時代は人並みに勉強しました」
「アルバイトも他の人と同じようにやってました」
「学校の成績は平均でした」と書いてもなんにもなりません。
これがせめて40年前なら音楽鑑賞は大きな意味がありました。
あの当時、コンサートに行く以外に音楽を聞く手段はカセットテープかレコード、
FMラジオなどが主な方法です。音楽の再生装置を揃えるのにも、コンサートへ行くのも
結構な金額を要するため、音楽鑑賞は気合や努力を推し量る材料には成り得たかもしれません。
それが今や音楽は簡単に手に入る時代。
ダウンロードやストリーミングなど、いつでも手軽に、しかも多くの場合、
無料で聴くことができます。単に音楽鑑賞と書いただけでは今の時代「ネットサーフィン」とか
「Youtube鑑賞」とか「テレビを見ること」と同義語で、もはや気合や努力を暗示する
キーワードには成らなくなったのです。
もう一つ趣味欄で気をつけたいのは、始めたばかりで初心者レベルのことを書くこと。
意味がないどころか印象が悪い。
最近始めました、ならどんなことでも書けます。
プログラミング始めました、中国語始めました、将棋始めました、登山始めました、
冷やし中華始めました、タピオカミルクティー始めました、等々、もう何でもありありです。
履歴書の趣味欄は「時間つぶしの方法」を書く場所ではありません。
ゲームでもいい、音楽鑑賞でもいい。
しかし「暇つぶしではないゲーム」「暇つぶしではない音楽鑑賞」など、
片手間にはやらない「趣味」を書くべきでしょう。
あなたの「こだわり」がそこに込められてこそ、
その履歴書の小さなスペースが大きな意味を持つようになるのですから。