【春の風物詩・・・甲子園】技術部の目線で見てみた

春と言えば、卒業や進学・進級、入社や転勤等、嬉しさと淋しさが織り交ざる季節です。
また一方では、気候も暖かくなり、冬の寒さからの開放感が高まりもします。

そして・・・個人的に胸が高鳴る・・・「甲子園」が始まります。
今年は、どれ程の球児がオーバー・フェンス=ホームランをするのでしょうか・・・。

■皆さんご存知の 「甲子園」

高校野球の聖地」と称される 「阪神甲子園球場」。一般的に 「甲子園」 と呼ばれます。
毎年春と夏に全国大会が開催され、球児の熱く・直向きなプレーに多くの方々が感動しています。

 

 

大会の正式名称は、春が 「選抜高等学校野球大会」夏は 「全国高等学校野球選手権大会」 です。
また、優勝校に渡る優勝旗、春は 「紫紺の優勝旗」夏は 「深紅の優勝旗」 と言われ色合いが違います。
因みに・・・春は 「毎日新聞社」、夏は 「朝日新聞社」 が主催者になっています。

 

「甲子園」 と聞くと関西、そして大阪府にあるものと思われがちだそうですが、いえいえ、球場があるのは、

兵庫県西宮市の甲子園町になります。

恐らく、プロ野球 「阪神タイガース」 のホームグラウンドでもあり、「阪神」=「大阪」 をイメージされる

方々が全国には多いことに因るものではないかと個人的には思います。

 

なお、「甲子園」 の謂れは、諸説ある様ですが、大正13年 3月11日に完成した年が、十干十二支でいう
甲子 (きのえね)」 という縁起の良い年から 「甲子」 が取り入れられたとのことです。

■「甲子園」のグラウンド

ご存知の通り、野球のグラウンドは扇型をしており、土の部分と芝生の部分に分かれています。

甲子園もご多聞に漏れず、土と芝生が敷き詰められています。

 

土は、水捌けが良く弾力の高い土を厳選して使われており最近では、鹿児島県 志布志市の黒土と

京都府城陽市の砂を絶妙にブレンドして深さ30cm程度に敷き詰めている様です。

 

芝生は、鳥取県産の芝生を取り入れています。

天然砂丘の圃場で育てられた芝は、根がしっかりしており、やはり水捌けも良いことから採用され

敷かれています。(*「砂丘」と言っても 観光名所の “鳥取砂丘” ではありませんよ)

 

因みにこの芝生は、東京オリンピックのメイン会場となる「新国立競技場」また各種スポーツの開催を

行なう「味の素スタジアム」 にも使われています。

 

芝生とグラブ

 

さて、このブログを書いている今、センバツ」こと「選抜高等学校野球大会」が開催されています。

昨春は、コロナ・ウィルスの影響で開催が中止となり、高校球児の皆さんや待ち焦がれていた高校野球

ファンには、とても辛い・淋しい春でしたが、今年は関係者の方々の熱意と努力で開催へと漕ぎ着けて

頂きました。開催に向けご尽力をされた関係者の皆さんには、心から感謝の意を表したいと思います。

■「甲子園」の両翼と中堅 (最深部)

野球の醍醐味と言えば・・・私見ではありますが、やはりオーバー・フェンスである 「ホームラン」 です。

先にも述べましたが、野球のグラウンドは扇型をしており、扇の中心にはバッター・ボックスがあります。

このバッター・ボックスから扇の弧に向かって大飛球を飛ばし、境界線のフェンスを越えれば ホームラン!

 

では、その 「ホームラン」 となるオーバー・フェンスには、どれ位の大飛球が必要なのでしょうか?

全国には、数多くの野球場があり個々に違はありますが、ここで 「甲子園」 について調べて見ましょう。

 

グラウンド

 

「甲子園」 は、扇の両翼が 95m中堅の先端・最深部は118m あります。

つまり、この距離以上の大飛球が、ホームラン になりますが・・・

では、この大飛球を飛ばすには、どれ位の打球速度が必要になるのでしょうか・・・?

 

ホームランには、滞空時間が長く・大きな弧を描いた飛球もあれば、弾丸ライナーと言った

直線的な飛球もあります。ここでは、一般的な放物線を描くホームランを例として挙げ、

少々物理の勉強をして見ることにします。

 

飛球を試算するに当たっては、幾つかの条件によって大きく差が生じますのでここでは、

ある一定条件を設定した上で簡易的な試算を行なうことにします。

 

・滞空時間 t:6.0 (sec)

・打出し角度 θ:45°

 

打出し速度:ν, 打出し角度:θ とした場合、水平方向つまり飛距離方向の速度成分は、

ν(x)=νcosθ となります。そこに滞空時間 : t により飛距離 (ℓ) を表すとすると・・・

 

☆ ℓ = νcosθ * t = ν (x) * t

 

これに対して甲子園の両翼 95m, 中堅・最深部 118mを当て嵌めてみると・・・

・両翼  95m 以上の飛球:ν(x) ≧ 57.0 km/h

・両翼118m 以上の飛球:ν(x) ≧ 70.8 km/h

 

これより、打出し速度の必要な初速は・・・

・両翼  95m 以上の飛球:ν ≧ 108.5 km/h

・両翼118m 以上の飛球:ν ≧ 134.8 km/h

 

さて、では 「打出し速度」 は、どの様に要因により決まるのでしょうか?

 

打席で対峙するピッチャーからの投球速度、それを打ち返す時のスウィング速度、ボールとバットの反発係数、

更にはボールとバットのインパクト状態など、複数の要因が絡み合って 「打出し速度」 が決まってきます。

 

ただ、ここでは難しい計算は勝手ながら控えさせて頂き、ここも簡易的な比較を行なうことにします。

それは・・・、スウィング速度との比較です。

■「高校球児」のスウィング速度

スウィング速度が早ければ早いほど、その力 (エネルギー) はより大きくなります。

それは、「運動エネルギー」 という物理的な現象によるものであり、高校時代に学びました!

 

☆ 運動エネルギー : K=1/2 mν² (*m;質量, ν;速度)

 

上式の様に「運動エネルギー」は、質量と速度に比例しており、特に速度には二乗で比例します。

この質量に目を向けると、重たいバットを持ってスウィング速度が速ければ、それだけ大きな

エネルギーを持つことになり、大飛球 (ホームラン) への大きな要因となります。

 

しかしながら、その反面ではバットが重たければ重たいほど、スウィング速度は少なからず低下

してしまい、エネルギー自体は小さくなりますので決して効果ばかりがあるものではありません。

自分の体力的なポテンシャルに合った最適な重さのバットを用いて、よりスウィング速度を高める

ことの方が良さそうです。

 

インパクト

 

ある調査によりますと、以下の結果が得られたそうです。

 

・高校生のスウィング速度 (平均):100~120 km/h

・大学生のスウィング速度 (平均):115~130 km/h

 

因みにプロ野球では、150 km/h を超える選手が数多く、流石にレベルが高いです!

 

ところで、「スウィング速度」 と 「打出し速度」 は、決して等しくなくバラツキが

あり、スウィング速度に対して打出し速度が速かったり、遅かったりします。

これは、前述したピッチャーの投球速度や反発係数、またインパクト状態なども

絡んでいるからです。

 

ただ、スウィング速度は、大飛球を飛ばせるか否かの一つのバロメーターにはなり

そうですね。

■「甲子園の魔物」

ここで一つ・・・ 「甲子園の魔物」 をご存知でしょうか・・・?

 

「浜風」 !です。

 

風1

 

甲子園球場の近くには海があり、この海から甲子園に向かって流れてくる 「海風」 です。

 

ホームベースから中堅にあるバック・スクリーンを見た時、右側ライト・スタンドから

左側レフト・スタンドに向かって吹く風ですが、相当強く吹き付けることが多々あります。

 

これが、大飛球に大きな影響を与え、打者にとってはオーバー・フェンスを阻まれることが

あるのです。また一方では、守備側にとっても飛球をキャッチし難くしており、「泣かせ物」

でもあります。

 

スウィング速度や打出し速度、インパクトが完璧でも・・・この 「魔物」 にはお手上げです!

■最後に「高校球児」へ感謝!

ここまで、つらつらと私見を織り交ぜながら話して来ましたが最後に・・・。

 

高校野球に限らず、高校スポーツの競技は非常に魅力的であり、人気も高いと思います。

「春高バレー」 のバレーボール、「ウィンターカップ」 のバスケット、年末年始に盛り上がる

「高校サッカー選手権」など・・・テレビ放送も踏まえて大変な盛り上がりです。

 

その様な高校スポーツの中、長い歴史を持って開催し続けている 「高校野球」 は、幼い頃から

見続けてきたこともあり個人的にはやはり、一番の思い入れがあります。

 

地元からの出場校の試合には、テレビ越しに応援しながら・・・勝っても負けても胸が躍り、

興奮すると共に清々しい気分になります。また、日頃の鬱憤をつまらない、些細なことにも

感じさせてくれます。

これからも 「春の風物詩」,「夏の風物詩」を一ファンとして応援して行きたいですね。

 

この記事 (ブログ) が掲載される頃合いには・・・

開催真っ只中の「第93回選抜高等学校野球大会」!

紫紺の優勝旗を地元に持ち帰れる高校は・・・。

 

 

優勝

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