「これの硬さはどれくらい?」なんて日常生活ではあまり気にしませんが、工業界での製品開発には必要な要素のひとつです。
これまで世界中で数多くの硬さ試験方法が考案されてきました。硬さの定義が難しく、人それぞれの人の考え方によって生み出されてきていますが、現在JIS(日本規格)に制定されているものは、ブルネル、ビッカーズ、ロックウェル、ヌープ、ショアの5種があります。
その中で今回は「ロックウェル硬さ試験」について調べました。
ロックウェル硬さ試験とは
1919年ロックウェル氏が考案した試験方法でウィルソン氏(アメリカ)が実用化、
世界的に工業界で最も使用されている硬さ試験です。
ビッカース硬さやブリネル硬さと違い、深さを読むだけなので簡便かつ素早く行えます。
測定方法
- 試験面にダイヤモンド圧子または鋼球圧子を用いて基準荷重をかける。
- 次に試験加重を掛ける
- 最初にかけた基準荷重に戻す
- ①と③での基準荷重における圧子侵入深さの差から硬さを求める
テクダイヤではこのダイヤモンドロックウェル圧子を独自加工方法で製造しています。
ロックウェル圧子には基準荷重が10kgfのときロックウェル硬さといい、基準荷重が3kgfのときロックウェルスーパーフィシャル硬さといいます。基準荷重と試験加重と圧子(ダイヤモンドか鋼球か)の組み合わせでスケールがたくさんあり、試験材料によって選びます。 詳しくはJIS 2245ロックウェルに使用される圧子にはダイヤモンド圧子と鋼球圧子がありますが、先端は、角度120°の円錐で頂点はR0.2㎜の形状になっています。ダイヤモンドは世界一硬い物質ですから加工には同じダイヤモンドを使用して研磨していますが、4断面とも半径0.2㎜の円に加工するのは技術が必要となります。
製品性能を検証するために硬さ試験が必要となる場合はたくさんある試験方法から選ばなくてはなりませんが、硬さの試験方法を調べていくとおもしろいことを発見できるかもしれません。
参照:日本工業規格 JIS Z 2245:2016 ロックウェル硬さ試験−試験方法