以前にブレードダイシングのお話をさせて頂きました。
今回は、続編としてダイシング時のウエハ固定方法のお話をさせて頂きます。
「ダイシングテープ貼り付け」と「サブストレート貼り付け」についてです。
目次
1. ダイシングテープ貼り付けとは?
ダイシングテープ貼り付けとは、加工物をダイシングテープにマウントする方法です。
ダイシングテープにも多種多様あり、それぞれの目的にあった素材、粘着力、テープ剥離性を選択する必要があります。
テープ構成としては、基材、粘着剤、剥離剤の構成になっています。
■素材
PO材(ポリオレフィン系)、PET材(ポリエステル等)、PVC材(ポリ塩化ビニル等)と種類があり、それぞれの特性を活かして、テープ選択していきます。
■粘着剤
基本的にアクリル系粘着剤を基材に均一に塗布されています。粘着剤はUV硬化型を主として、UV照射により粘着剤が硬化してダイシング後のチップ剥離を可能にしています。
■剥離剤
セパレーターといわれており、テープ粘着剤の保護として用いられております。
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ダイシングテープへの固定にはテープマウンター等の設備を使用して、加工物をテープに定点固定します。
個片化(ダイシング後)されたチップの剥離は、UV照射により容易にテープから剥離できます。
2. サブストレート貼り付けとは?
サブストレート貼り付けとは、
加工物をガラスやシリコン等の支持基板に接着・固定する方法です。
テープマウントより加工物の固定力が強く、小チップ化などの加工に適しています。
■ガラスサブストレート
支持基板にガラスを使用して、加工物(ウエハ)を接着、固定します。
■シリコンサブストレート
支持基板にシリコンウエハを使用して、加工物(ウエハ)を接着、固定します。
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支持基板への貼り付けには、ワックス固定が主流で固定迄の時間や個片化(ダイシング後)されたチップの剥離に時間を要したり、プロセス工数が長くなる傾向があります。
3. まとめ
対象加工物やチップの出来上がり寸法を考慮しながら、テープ貼り付けやサブストレート貼り付けを選択していきます。
比較的大きいチップへの加工は、テープ貼り付け。
大チップは固定力も比較的高く維持できるため、品質も安定します。
小さいチップへの加工は、サブストレート貼り付け。
小チップは固定力が弱くなり、品質も悪化していきます。
全体プロセスを考慮したら、テープ貼り付けを採用したいが、小チップ加工には技術力を必要とし、テープ貼り付け、サブストレート貼り付けには、一長一短があります。
テクダイヤでは、技術の探求を日々行い、加工技術向上を目指しています。
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