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【人事部長直伝!】就職活動の質問テクニック

【人事部長直伝!】就職活動の質問テクニック
就活における会社説明会では普通「どんな質問でもOK」という建前になっていますが、本当に何でも聞いていいのかというと実はそうでもありません。

企業にとって応募者は一人あたり年間、数百万円にものぼる人件費を払う対象ですし、おまけに日本の法律では解雇はとてもむずかしい。大学のサークル勧誘の説明会とは違い、採用する側はめちゃめちゃ慎重に学生を見ています。漫然と質問をしてしまうと悪い印象を与えかねません。第一、ありきたりの質問では本当に役に立つような本音の情報が得られない可能性が高い。

そこで今回は、会社説明会の質問で気をつけた方がよいことを取り上げてみたいと思います。

こんな質問はNG!

まずはNGから。

 

■ホームページや就職情報サイトに掲載されていてすぐわかるようなことの質問

逆の立場で考えてみればわかります。面接で「学校名は?」「学部はなんですか」「どこに住んでるんだっけ?」とか、履歴書に書いてあることをいちいち聞かれたら「履歴書くらいちゃんと見とけよ。この面接官、アホなんちゃう?」と思って当然です。「従業員数は何名ですか」「事業所はどこにありますか」「就業時間は何時から何時までですか」など基本的なことは会社案内に目を通し、重複するような質問は避けた方がよいです。ただし掲載情報が不十分で深堀りしたいときは別ですが。

 

■答えがわかりきっている質問

「会社の雰囲気はどうですか」「社員同士の仲はどうですか」「専門知識は教えてもらえますか」に対し「雰囲気悪いです」「社員同士は仲良くないです」「自分で勉強しなさい」など事実だとしてもネガティブな答えは絶対返ってきません。

似たようなものに「有給は自由に取れますか」「育休取れないですか」「サービス残業はありますか」など、法律的にNoという答えが有り得ない質問も、実情が見えてきません。

 

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■活躍を期待させない質問

「趣味を続けられますか」「休日出勤が嫌なんですけど断れますか」「残業しないで帰れますか」などの質問は歓迎されない質問です。わざわざ説明会を開くほどの企業が単純作業のアルバイト要員を探しているわけはないのですから。プライベートは充実すべきと個人的には思いますが、そのことを必要以上に強調されないよう、質問は工夫が必要です。

ではどのように聞けばよいのか。

1.質問は具体的なことを聞き出す

「残業はどれくらいありますか」と聞くと大雑把に答えられるか、はぐらかされます。しかし「昨日は何時まで仕事をしていましたか」という質問では昨日のことですから覚えてない・わからないとは言えず、嘘がつきにくいです。

「社内の雰囲気はどうですか」ではなく「社内の雰囲気が良いことのエピソードを教えて下さい」と聞けば具体的な例を知ることができますし、事例がすぐに出てこない場合には雰囲気はあまり良くないことが予想されます。

「知識が無い新入社員への教育には特にどんな工夫をしてらっしゃいますか」と聞けば、放置しているのか、工夫をしているのか見分けることができます。「有給休暇を何に使っているか具体例を教えて下さい」なら、単に病欠の埋め合わせなのか、それとも旅行や趣味に使っているのかなどがわかります。

 

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2.「自分」を質問の主体に置かず、現状を客観的に聞く

「私は将来海外に住みたいのですが、海外赴任は可能ですか」「自分はフットサルをやっていて自分の時間を確保したいのですが、可能ですか」「私は長く勤めたいので出産しても働きたいのですが、そういう社員はいらっしゃいますか」これらは皆、前半部分が自己主張や願望としての印象が残ります。

「趣味を続けられますか」「休日出勤が嫌なんですけど断れますか」「残業しないで帰れますか」も、実は頭の「私は」が省略されています。

そもそも「私は~したいんですけど可能ですか?」という質問は、個人の能力や環境に依存するため企業としては回答しにくい。そしてこの類の質問が、ややもすると「わがままな印象」ばかりが残り企業受けがあまりよくありません。どうせ印象付けるなら「鋭い質問だな」「いいところ突いてきたな」と、よいイメージを残しておきたいところです。

 

ではどう聞けばよいのか。それは自分を主語に置かないことです。

「出産から復帰した社員が働きすくなるための御社の工夫はありますか」とか「ママさん社員がチームに居る時に気をつけていることは何ですか」など、自分を消して聞けば具体的な周囲のサポートの情報を得ることができます。

同様に「海外赴任している人はどんな活躍が認められて赴任していますか」「自分の時間を上手に使って趣味を持っている社員の実例を教えて下さい」「休日出勤を断る社員は居ますか」「残業しないで帰る人は居ますか」など、自分とは切り離し他人(社員)の具体例を聞く。

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質問の仕方を工夫すると自分が欲しい情報が得られるとともに個人の印象も良くなります。

みなさんもいろいろ試してみてください。