3Hって何?

フェライト(Ferrite)基板へのパターニング ~量産までの道のり~

フェライト(Ferrite)基板へのパターニング ~量産までの道のり~
テクダイヤの薄膜回路基板へのパターニング技術を応用し、フェライト基板へのパターニングも行っています。今回は、お客様からのお問い合わせから量産になるまでの道のりをご紹介します!

目次

1. フェライトとは
2. 開発のきっかけと苦労
3. 試作~量産までのフォロー体制
4. 関連記事

フェライトとは

フェライトとは、セラミックの仲間で酸化鉄を主成分とし、コバルトやニッケル、マンガン等を混合焼結した磁性体の事を言います。
磁性体であることから、物質が原子あるいは原子よりも小さいレベルで磁性に反応する性質を持っています。

身近なところだと、テレビやパソコン、コピー機など様々な製品に使用されています!

多岐にわたる製品に使用されているため、フェライトの形は様々ですが、弊社では研磨された基板を使用しています。鏡面研磨されたフェライト基板は、黒光りがとても綺麗です。

開発のきっかけと苦労

フェライト基板へのパターニングはお客様のお問い合せから始まりました。

弊社の薄膜回路技術を見て、フェライト材料へもパターニングができるのではないかという、お客様からの期待が込められたお問い合せでした。
「やったことがない、でもチャレンジしてみたい!」という技術部と営業部の合意のもと開発を開始しましたが、量産に至るまでは長い期間を要しました。

お客様と一緒に二人三脚で進めてきましたが、その中でもテクダイヤのノウハウを屈指した「技術課題」と顧客と打ち合わせを重ねた「品質課題」の2点をご紹介します。

★技術課題
技術課題としては、「密着性」でした。

以前ブログにてご紹介した石英ガラス基板も同様の問題がありましたが、母材の表面状態が変わることで、基板と膜の密着強度は大きく変わります。
通常通りのパターニングでは、下地膜からベロベロ剝がれてしまいます。洗浄方法を変更するとどうなるか、スパッタ装置の条件を振るとどうなるか、膜構成を変えるとどうなるか…
たくさん条件を振って試作することで、現在の形に至りました。

★品質課題
検査内容と外観検査基準の2点を、お客様の要望と弊社の対応範囲を照らし合わせ、取交しをしました。

検査内容については、初物ということもあり、どういった検査が必要なのかを理解していませんでした。お客様からヒアリングをし、私たちができない検査内容は別の検査で代用ができないかなど、すり合わせをしました。

外観検査基準は、少しでもお客様のコストを抑えられるようにと、新たな基準を設けました。
目合わせのために外観検査をしたチップを”3ランク”に分け、チップをナンバリングしてお客様に送付し、良品となるか不良品となるか、複数回実施し基準を完成させました。

試作~量産までのフォロー体制

何か新しいものを作り上げるまでには、時間も労力もかかります。
しかしその分、お客様と同じ方向を向いて、新たなものを生み出す過程は楽しい時間でもあります。

私自身、フェライト基板の量産注文をもらったときは、本当にうれしい気持ちと達成感でいっぱいでした。

試作段階から、お客様の要望や困っていることを営業がヒアリングし、技術部や品証部、社内を巻き込みながら量産へ繋げていきます。
お客様のご期待に沿えるよう、全社で取り組む体制が弊社に整っていますので、お困りのことがございましたら、いつでもお問い合わせください。

極細回路形成や立体基板への側面回路形成が得意です。
☎03-5765-5400
sales@tecdia.co.jp

関連記事

注目の ”石英ガラス基板(SiO2)パターニング技術” で社長の名刺をつくってみた – テクダイヤ技術向上ブログ (tecdlab.com)
セラミック加工技術 ~ナノレベルの調整にトライ!~ – テクダイヤ技術向上ブログ (tecdlab.com)